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米IBM、米ゼロックスなど小型コピー機メーカー

日本メーカーがディーラー販売システムを採用したのは、以下の理由がある。

  • ・セールスマンを大量に抱える直接販売方式はコストがかさむ。
  • ・小型機の購入層である中小企業相手には、思うような効果が上がらない。

この方法で、日本メーカーは小型コピー機の分野でシェアを拡大した。

アメリカの事務機器メーカーも、日本流のやり方が最適と判断した。

パソコン登場でさらに活発に

米国の事務機器メーカーの日本式ディーラー制の導入の傾向は、パソコン(パーソナルコンピューター)の登場で一層高まった。

例えばIBMはディーラー網に加え、シアーズ・ローバックを通じての販売を始めた。

さらには自ら30にのぼる小売店を全米都市に設置した。

その小売店で、パソコン、複写機などの事務機器を販売し始めた。

日本メーカーの間接販売による成功が影響した。

自動車業界も日本流に注目

こうした日本流の販売・流通方式が自動車業界にまで広がった。

クライスラー社は、ホンダなどの日本メーカーが米国市場へ入り込む時採用した併売制を検討した。

これは、GM、フォードなどの競争相手のディーラーにクライスラー社の車を売ってもらおうというものだ。

商社設立の動き

また、米国では日本流の商社を設立して、輸出を増やしていこうとの機運が盛り上がった。

GE(ゼネラル・エレクトリック)、シアーズの2社がトレーディング・カンパニーを設立した。

日本脅威論

1980年代までの日本企業の米国進出は目覚ましかった。アメリカでは、日本脅威論が強まった。

当時、アメリカ連邦議会では「輸出商社法案」が審議されていた。議会での日本熱も相当なものだった。米国の政策を審議する時は、必ず日本の例が引き合いに出ていた。

例えば、日本で中小企業向けにロボットのリース会社をつくる政策が導入されると、リースの利率や期限など実に細かい所まで議員が質問するほどだった。

一方で日本市場の門戸開放、輸入規制を叫ぶ議員が、その裏では日本の政策を深く学びとろうとしていた。